マクロビアンの動き。福島県はいわき市の山奥にあるマクロビアン。「あの施設が生き延びられそう」と知り、嬉しかった。生き延びさせる目処が立ち、橋本夫妻がクラウドファンディングを始めた。
4度も訪れ、泊まりもして確かめた私としては、このうえなく嬉しい。
マクロビアンの半断食合宿に、私は国内3か所で計5回、スペインのピレネーで1回、総計6度にわたって加わり、世話になった。その体験者としては、とてもありがたい。
私の食事観を変え、体質を改めた。食について、一人前に意見を述べられそうな心境にさせたのだから。
衣食住で言えば、衣と住では、かねてから、さまざまな角度から(サバイバルから究極の贅沢まで)人並み以上の意見を語れそう、に思っていた。だが、食の面では自信がなかった。弱点を自覚していた。だが、その肝心のところを補えたように思う。4度訪れたマクロビアンの施設と、6度体験したマクロビアンの施術を通して、補えたように思う。
さまざまな国で、さまざまな人の、さまざまな生きようや暮らし方を見てきたし、学びもしたつもりの私だが、いわきのマクロビアンの施設に大事さが、分かるつもりだ。健康に生き抜く。大切なことだ。この面だけなら、他に思い出すものがある。健康的な人生を願う人を、独力で救済する。簡単にはできないことだ。この2つを兼ね備えた点でいえば、他に思い出すものがない。
それだけに、どのような形であれ、マクロビアンのあの施設は残ってほしい。
20世紀は、少なくとも工業社会は、人からヒトの力を剥奪した。本来はヒトが備えていたはずの、自己責任の下に自己完結して生きる力を、ことごとく見失わせた。
その度合いが進むにつれて、人は心まで見失い、孤独化を容認してきた。なんとしても、マクロビアンのあの施設には残ってほしい。その心を取り戻すための、大事な何かを備えている。人が、ヒトの力を失い、人の心まで見失ったことが深刻な問題になった時に、マクロビアンの施設は灯の1つになる。それは、文明のアク取りもする。
その灯火が、その対極に位置する施設、原子力発電所の事故によって風前の灯火にされた。それだけに、心ある人のクラウドファンディングで、その灯火を守ってみせたいものだ。クラウドファンディングの本領のように思う。