異常高温のセイ? 異常に暑い夏だったし、雨の降りようも異常だった。夏野菜も、育てるのが難しかった。冬野菜の準備も、出だしは苦労した。だが、別途温室で、昨年の異常に凝りて打った手が功を奏した。いわばスペアーに該当する苗を、ポットで大量に育てたが、そのおかげでこの冬も、野菜には不自由せずに済みそうだ。このポット苗を用意していなければ、大変なことになっていた。
年々、こうした苦労が伴うようになった。当月は、先月の観測史上初の逆走台風に次いで、2度も大きな被害をもたらす台風に見舞われた。畑は支柱で育立て作物と、芽が出たばかりの冬野菜が打撃を受けたが、庭も、焚き火などで当分処理しきれない落ち枝の山が4つもできた。それもこれも、元をただせば異常気象が原因だろう。
こうした異状を察知してか、庭のフウランがこの1カ月以上にわたってポツポツと蕾をつけ、狂い咲いている<a>。コオロギが、とりわけエンマコオロギが、今年はやたら目に付くが、これも異常気象と関係があるのだろう。かつてエンマコオロギは一旦庭から消え去っていた。「食材として捕まえてみようか」と、冗談を言いたくなるほどたくさんいたが、2年ほど前まで、10年近くにわたり、目にしなかった。思えば、トノサマガエルやアマガエルと歩調を合わせるようにしてコオロギも庭から姿を消していたことになる。
それはともかく、野菜の異常気象対策が急がれる、今年の夏野菜は、ゴーヤ、モロヘイヤ、あるいはツルムラサキが順調に育ち、ずいぶん助かった。とりわけゴーヤは自然生えもよく茂り、多くの実を妻は採り忘れたぐらいだ。ところどころで裂け<b>、赤い種をむき出しにして野鳥に「美味しいよ」呼び掛けている。かつては人間も惹きつけていた赤い種だ。日本にゴーヤが導入された当時は、実が青い間は見向きもされず、赤い実を(子どもが飴のごとくに)食していた。
トマトは逆に、かつては赤く熟れる前に収穫し、青野菜として活かしていた。トマトは、熱帯が原産地だったと思うのだ、今年はなぜか実を結ぶ率が早くから急減し、早々と最後のトトマトのも畝も始末した。だが、青い実がほとんどついておらず、ピクルスができなかった。
このようなことにも想いを馳せ、露地栽培故に、色いろと工夫が求められそうだ。次第に異常の度を増す気象に備えてのことだが、これもボケ対策の1つ、とわが身に言い聞かせた。